妊娠力をあげるための体の整備

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妊娠力をあげるための体の整備

3つのポイント

妊娠しにくい体から、妊娠しやすい体になるためには、大事な整備すべきポイントが3つあります。

  1. 卵子、精子の質
  2. 体の中の循環
  3. 体の中の情報網(ネットワーク)

特殊な原因は別にして、妊娠しにくくなっているのは、この3つの何かが上手くいっていないのです。
当店の妊活相談は、この3つのどれを整備していくことが必要かをカウンセリングで見極めさせていただき、漢方や自然薬で必要な整備をしていきます。
以下にそれぞれのポイントについて書いていきます。

卵子、精子の質の整備

卵子と精子は、妊活においての主人公ですから、主人公の質をよくすることは必須です。
特に30代になると卵子は次第に質が悪くなっていきます。
ではよい質のよい卵子と精子の条件とは、

卵子

  1. 卵子自体が元気でエネルギーに満ちたものであるか。
  2. 卵子の外膜である顆粒膜が分厚くしっかり機能している。

エネルギー不足の卵子では、受精する力も弱くなるし、受精しても分裂成長していく力がありません。卵子の中のエネルギーを作りだしているのはミトコンドリアです。
卵子の中には約1,000個のミトコンドリアがありますが、卵子が元気で生命力のある卵子なのかは、このミトコンドリアの稼働率にかかってきます。
卵子はその周囲を顆粒膜というもので覆っています。その顆粒膜が栄養を取り込んだり、ホルモンの情報をキャッチしています。
また、精子との受精は1対1でないといけません。本来、卵子は精子が1つ入り込むと顆粒膜がふたつ目の精子を侵入させないように固く閉ざしてしまいます。ところがその顆粒膜が弱いとふたつめ、みっつめの精子も入り込ませてしまいます。複数の精子との受精は異常受精になり、だめになってしまいます。
卵胞の育ちをよくし、複数の精子を入り込ませないようにする、このふたつの役目を果たすため顆粒膜をしっかり機能させなくてはなりません。
よい卵子にするためには、「卵子のミトコンドリアの稼働率をあげてエネルギーに満ちたものにすること。」「顆粒膜をしっかりさせていくこと。」
この2点なんです。

精子

  1. 運動力がある。
  2. 精子そのものが損傷していない。

精子は卵子に出会うためには、人間が旅するなら8,000キロ相当の距離を上りで泳いでいかないといけません。その運動能力の源になるのがミトコンドリアで作られるエネルギーです。
ミトコンドリアの稼働が悪いと運動率も悪くなり、受精能力も落ちてしまいます。

卵子のもとにたどりついても、正しい受精するためには、精子そのものが損傷していてはいけません。大事なのは先体とDNA。
精子の頭部にある先体という部分が卵子の外膜である顆粒膜と融和して受精となります。先体が痛んでいると卵子との融和ができず、受精ができません。
受精できたとしても、精子のDNAが損傷していると、受精卵に染色体異常がおこり、それ以上の成長ができなかったり、妊娠しても流産してしまいます。
精子に様々な損傷を引き起こすのは体内で発生する過剰な活性酸素です。
先体もDNAも、活性酸素から受ける酸化ダメージで損傷します。
よい精子にするには、「卵子同等にミトコンドリアの稼働率をあげてあげること。」もうひとつは「体内で発生する活性酸素を減らし、精子の敵を少なくすること。」
この2点なんです。

体の中の循環整備

卵巣、子宮、卵管などに冷えがあったり、血液の質がドロドロで血行が悪いと卵巣や子宮に栄養と酸素が届きにくく、卵胞の育ちも悪くなり、子宮内膜も着床に向かない状態になってしまっているかもしれません。その循環状態を改善することを目指します。
過去、相談にこられた9割以上の方がこの循環が悪くなっている方でした。

特に多いのが・・漢方でいうところの「お血(おけつ)」。
血液がドロドロの状態になると、血液の流れに停滞がおきたり、子宮の中で逆流がおきて卵管や卵巣周辺に逆流し、こべりつき、カサブタ化してしまうと卵管が狭くなったりして精子の通行を妨げたり、卵巣が硬くなってしまったりし、排卵を邪魔します。このお血の改善は漢方の得意分野です。

体の中の情報網(ネットワーク)の整備

妊娠という目的達成のために、私たちの体の中では様々な情報、指令のやり取りがされています。そのツールが「ホルモン」です。
例えば、卵胞が大きくなっていくのも、脳から卵胞刺激ホルモン(FSH)というホルモンが出て卵巣に「卵胞を成長させろ」という指令を送り、その指令を卵巣がキャッチするからです。
子宮内膜が作られるのも、排卵されるのも、すべてホルモンの指令があるからです。
また受精卵が子宮内膜に着床する時も、受精卵が内膜に向かい、これからそちらに行くという情報を送り、それを内膜がキャッチし着床の受け入れ態勢をするといいます。しかしこの情報や指令がうまく伝わらなければ当然うまくいかないですよね。この情報が伝わりやすくしていくお手伝いを漢方や自然薬で行います。
この情報網が伝わりにくくなるのは何故?
情報のツールであるホルモンのバランスが悪くなると、伝えるべき情報が伝わらず、伝えなくていい情報が伝わってしまいます。
病院の治療でも情報ツールのホルモンをたくさん出させる薬やホルモンを充てんする治療をしますが、そのホルモンが出過ぎたら出過ぎてたで体はしんどくなるので、漢方はその行き過ぎのバランスを取るのにも役に立ちます。

妊娠後、出産めざしての体力作り

妊活されている皆さんは、無事妊娠すること、そして無事出産することが目標ですが、
あえて言えば、妊娠も出産も通過点です。
本当に大変なのは赤ちゃんを産んでからの産後育児です。
妊娠して約10ヶ月の間、お腹の中で赤ちゃんをはぐくんで、そして出産。出産は女性が生涯の中でもっとも体力とエネルギーを要することです。
その日はできるだけベストコンディションで迎えてほしい。
五輪に出るアスリートが五輪本番にコンディションのピークになるように調整するように・・・
下の図を見てください。

妊娠後、出産めざしての体力作り

このプールの水は体のエネルギー、栄養を表していると思ってください。健康で元気な人はプールの水は80%以上あります。
しかしエネルギーが必要な栄養が不足し、体力が落ちて50%くらいの水位しかないと体のだるさやか疲れやすいなどしっくりきません。さらに水位がおちて20%くらいになるとはっきりとした不調が出て、病院へ行くレベルになります。
その下の1~2%水位ははっきりとした病名がつくところもでいく病気です。
出産はエネルギーと栄養を消耗しますので、80%くらいのエネルギーと栄養の水位がある方でも体力を使い、20%から30%は水位を下げてしまうと考えてください。
つまりよほどベストなコンディションでないと元気な人でも半健康レベルに落ちてしまい、半健康レベルな方は不健康レベルまで落ちてしまう。不健康レベルな方は病気レベルまで落ちてしまいます。
そしてそのひとつ落ちた状態で産後育児が始まります。

水位が落ちた状態の育児で思ったようにいかないといった育児ストレスが加わることで「産後うつ」にもなってしまうことが多いんです。
妊娠しやすい体作りの治療は、このエネルギーと栄養のプールの水の水位をあげていく治療でもあります。妊娠するためにもエネルギーと栄養のプールはいっぱいの水位になってもらうことが大事ですが、妊娠してからも、この水位を落さないで出産をめざしてもらう。
そして産後もできるだけ早く出産で消耗した水位を回復させることが大事と考えています。
今、2人目不妊で悩む方が非常に多く、当店に相談に来られる方も4割くらいが2人目不妊です。
1人目はできたのに何故できないのか・・・・
1人目の出産で体力を使い、消耗しているところに産んでからの育児でさらに体力を水面下で消耗させてしまい、気がつかないうちに次の子を宿す妊娠力が落ちてしまっているという方が多いのだと思います。

「卵子」について知っておこう

「卵子」について知っておこう

卵子は女性の皆さんが産まれる前の胎児の時すでに卵巣の中に持ち合わせています。
誕生してくるときに持っている卵子数は約200万個です。
この卵子数はこれ以上増えることはありません。
思春期にはそれが20万個から40万個になっています。
それらの卵子は卵巣の中で原始卵胞という冬眠状態でいます。毎月その中から、一定の数の卵子が冬眠から目覚め、180日(6ヶ月)かけて排卵するところまできます。

卵子の在庫数の多い20代は約1,000個、
30代になると陰りがみえて約500個、
30代後半になると約100個、
40代になるとさらに減り約10個、
それぞれ卵子が冬眠から目覚め同時進行で成長していきます。
そして最後の6ヶ月目の周期でその集団の中で選ばれる1個の卵子(首席卵胞)が排卵され、その他の卵胞は閉鎖卵胞として消滅していきます。

さながら候補者の中から主役を選ぶオーディションのようですね。
20代と40代ではオーディションにエントリーする卵子の数がそもそも違いますね。
ここまで書いているように卵子は産まれたときから、その女性の中にいて、いっしょに歳を重ねていきますから年齢とともに卵子も歳をとっていきます。若い1,000個の卵子の中から主役に選ばれる卵子。
歳を重ねた10人の中から主役に選ばれる卵子、どうしても歳を重ねるほどに不利になるのは想像つきますよね。

さて主役となる排卵される卵胞は排卵周期のはじまりは8mmくらいですが、その周期の中で卵胞刺激ホルモンの刺激を受けて成熟して、排卵時には18mmから20mmに成熟しているのが理想とされます。

排卵された卵子は卵管の中に入り、精子が来るのを待ちますが、排卵後の生存時間は6時間くらいだと言われます。
(24時間くらいと言われてましたが、最近の研究で実際にはもっと短いことがわかってきました。)

「精子」について知っておこう

精子は約70日かけて精巣の中で作られます。
そこから精巣の上体部へ移動し、約10~20日かけて最終的な成熟をし、この10~20日間に運動力や受精へのパワーを蓄えます。
さらに精管という管の中を通り移動し、精液が混ざって精管の中の射精位置で射精を待つ状態となります。1回射精すると精管が満杯状態になるのには2~3日かかります。(精子がこの満杯になって新鮮な時に夫婦生活のタイミングを合わせるのがベストです。)精子はおたまじゃくしのような恰好をしていますが、頭部の先を先体といい、頭部には核という部分があり、頭部の下の胴体部分にミトコンドリアがあり、この3つが精子に重要な部分であり、大事な役割を持っています。

「精子」について知っておこう

先体・・・受精の際に卵子の膜に融和して入りこむ役割があります。
これを先体反応といい、これをおこせないと受精できないので男性不妊の原因のひとつになります。

核・・・ここにDNA・遺伝子情報を詰め込んでおり、精子の存在価値は卵子の中に入り、このDNA情報を届けることの1点にあるといって過言ではありません。
この核が痛んでいると受精しても正しい遺伝子情報が伝わらず、染色体異常をおこして育つことができなくなります。

ミトコンドリア・・・卵子のもとまで移動するエネルギーを作りだすエンジン。
ここに問題があると運動率が悪くなり、卵子のもとまでたどり着けなくなります。通常1回の射精でその中に精子は1億から5億匹いると言われています。
精子は、外界に出てしまうとすぐに死んでしまいますが、子宮内では72時間くらい生きています。

超過酷な精子の旅路

射精された精子の集団は膣からスタートし、卵子の待つ卵管のほぼ先の卵管膨大部まで泳いでいきます。距離にしてわずか18cm。でも精子にとっては滝を上にむかって8,000km泳いで行くのに相当します。ちなみに東京とアメリカ西海岸のサンフランシスコが太平洋をはさんで直線距離で8,280kmだとか・・・これだけでも過酷なのが想像つきますよね。

精子は、膣から子宮頸管を上り、子宮に向かいます。この子宮頸管が最初の難所。
普段はばい菌から子宮内を守るため、酸性になっているのですが、精子は酸性にとても弱いです。普段ここを通れば強い酸で大半はやられてしまいます。
しかし排卵前だけ女性は粘液(おりもの)をだして、子宮頸管内をアルカリ性にし、やってくる精子がやられてしまわないようにしてくれます。
しかしその分泌量が少ないと精子にとっては子宮頸管内で強烈な逆風を受けることになり、リタイアする精子続出となります。そもそもエネルギー不足の精子はここでリタイヤしてしまう。

子宮頸管を無事通過して子宮に入った精子は卵管へと進みますが、ここで選択をしなくてはなりません。
左の卵管にいくか?右の卵管にいくか?
その周期に排卵のある側の方向を選択して進まないと、この時点で選択ミスした精子はリタイヤです。
ただこれは「卵子」と「精子」が糖鎖というアンテナで通信し合っていて、大半の精子は正しい道を選びます。ただ糖鎖のアンテナが痛んでいると選択ミスをしてしまいます。
子宮から卵子が待つ卵管膨大部に向かって、精子は卵管へと進みますが、卵管という道の環境が良いか悪いか?(女性の卵管コンディションになってしまうのですが。)

卵管はもともと狭いうえに、血流が悪いと詰まりやすくなり、むくみでさらに狭くなりやすくなる。
精子にとっては道が狭くなったり、詰まり気味になると障害物のある悪路を走るようなもので余計に体力を消耗してしまう。
(卵管が詰まってしまっていると、道がそこで寸断されて先に進めず全員ここでリタイアです。)

そんなこんなで卵子の待つ卵管膨大部にたどり着いた時に精子は、スタート当初何億もいたものが100単位に減っていると言います。
そしてこの過酷な旅を生き残った精子が卵子との受精に挑みます。精子集団の中の一番最初にたどり着いた精子が卵子にアタックをかけると思われがちですが、そうではありません。
ここまで到達した精子達が卵子を取り囲み、その中のひとつが選ばれてアタックします。

アタックをする精子は頭部の先体から酵素を出して、卵子がその酵素に反応して卵子が膜のガードをゆるめてくれ、精子は卵子の中に入り受精となります。