月経の症状

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基礎体温について

基礎体温について

女性の体の中で月経を繰り返し、赤ちゃんを作るための準備がなされています。この活動には女性ホルモンが関係しており、その働きによって体温も上下します。その体温を記録してみていくことで女性ホルモンが正しく働いていてくれてるか、排卵があるのかがチェックできます。

基礎体温は、体が熟睡モードで活動していない時の体温です。
本来は寝ている時に測るのが正しいですが、それは難しいので、朝目覚めて寝床の中でほとんど動かない状態で測ります。(起き上がってしまうと駄目です。)
目覚めてすぐに体をほとんど動かさず測れるよう体温計は枕元に置いておきます。そしてその数値を毎日記録し、グラフ化しましょう。測り始めは生理がはじまった頃からつけるとグラフが見やすくなるのでおすすめです。

基礎体温表で見る体の状態① 正常な状態

基礎体温表で見る体の状態① 正常な状態

正常な基礎体温は生理中と生理の後2週間は低温期が続きます。

低温期の最低体温も36°C代を割らないのが好ましいです。

低温期から高温期へ変わる境目に排卵が来ます。排卵の時には一度体本温が下がり、そこから高温期に急上昇します。その移行が1〜2日ででき、その温度差が0.3〜0.5℃あるのが理想です。

高温期になってからその時期が10日〜14日安定してキープできることが条件となります。

妊娠がなければその後、生理が来るとともに低温になります。もしも妊娠していれば、高温のまま維持しますので、高温期が2週間以上続いているようならば妊娠の可能性があります。

基礎体温表で見る体の状態② 低温期が長く、高温期が短い

基礎体温表で見る体の状態② 低温期が長く、高温期が短い

卵子の成熟が悪く排卵が遅れてしまい、遅れた分黄体ホルモンの分泌も悪くなり、黄体機能不全になりやすい状況です。

(黄体機能不全)…黄体ホルモンの分泌が少ないために、排卵期にもっとも厚くなる子宮内膜が厚くならず、受精卵が着床できてもそれを維持できず流れてしまう可能性もあります。黄体機能不全はこのグラフのように高温期が9日以下と短いのが特徴になります。

漢方でいうところの血液の流れの停滞の「お血」状態もおこっています。脳から指令としてだされる「卵胞刺激ホルモン」は血液で卵巣に運ばれて指令を伝えますが、血の流れが悪くなって脳からのホルモン分泌の指令も上手く届いてないために低温期に卵胞ホルモンがよく出せないので、卵子が育たず排卵期にスムーズ移っていけない状態です。
体温がそこそこ36℃を割らない状況にあっても「お血」のせいで排卵の流れの段取りが悪くなっています。

基礎体温表で見る体の状態③ 高温期が不安定

基礎体温表で見る体の状態③ 高温期が不安定

低温期から高温期にスムーズに移行はするが、高温期の途中で体温が下がったり、生理が近づくと体温が下がる状況です。

黄体ホルモンがしっかり機能してくれていない黄体機能不全の状態でもあります。

漢方では血虚(けつきょ)という血液が不足しているという言葉があるのですが、それにあてはまります。子宮に血液が集まらず、また、貯めておくこともできず少ないために分厚い子宮内膜を作る血液が不足している状態です。

基礎体温表で見る体の状態④ 高温期へ一気に移行しない

基礎体温表で見る体の状態④ 高温期へ一気に移行しない

排卵期に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが不足して体温の上昇が上手くできない。

「腹虚(ひきょ)」と言い、消化器系の働きが落ちているために消化吸収も上手くできないためにエネルギー、血液ともに作れないので卵巣の働きも悪くなってます。本人も疲れやすくなります。

授乳を促すホルモンのプロラクチンの分泌が増え、排卵を止めてしまう高プロラクチン血症の場合もこういうグラフになります。

基礎体温表で見る体の状態⑤ グラフの波が激しい

基礎体温表で見る体の状態⑤ グラフの波が激しい

ストレスが強く、自律神経が不安定な状態を生理前緊張症と言います。生理前になると乳房が痛くなったり、不快な症状が出てくる人にも多いです。自律神経の不安定がそのまま体温にも反映されて不安定な体温になります。

基礎体温表で見る体の状態⑥ 高温期が長すぎ、あるいは体温が上がりすぎ

基礎体温表で見る体の状態⑥ 高温期が長すぎ、あるいは体温が上がりすぎ

高温期が14日以上続いて、低温期と高温期の差が0.5℃以上あるタイプです。

血液は十分にありますが、お血で血の流れが停滞しています。黄体ホルモンが働きすぎて、いろんなエネルギーが上半身に集中しイライラしたり、のぼせが起こりやすくなります。

基礎体温表で見る体の状態⑦ 低温期が短い、低温期の体温が高い

基礎体温表で見る体の状態⑦ 低温期が短い、低温期の体温が高い

低温期が短く、排卵が早く来すぎてしまう状態です。

卵胞ホルモンがしっかり分泌されないまま高温期を迎えるので卵子が未成熟なまま排卵される可能性が高いです。卵胞ホルモンが少ないのでおりものが少ないのも特徴です。

黄体ホルモンの分泌が多くなりすぎてバランスが悪くなってます。

胃腸虚弱、消化吸収をつかさどる漢美方では「腹胃」の働きが落ちている牌胃の虚証です。

基礎体温表で見る体の状態⑧ 高温期がない

基礎体温表で見る体の状態⑧ 高温期がない

無排卵のために生理がきません。卵胞ホルモンも黄体ホルモンも働いていない状態です。

「腎虚(じんきょ)」といい基礎体力全体が落ちているということが多いです。
エネルギーも血液も不足しています。

月経周期の異常について

生理が来る日が毎月だいたい同じであるということ。数日前後するくらいなら良いですが、周期が40日を越えてしまったり、20日以内に生理がきてしまうような極端な遅い、早いがあってはいけません。

早すぎると排卵が行われていないのに生理が来てしまう「無排卵月経」を起こしてしまう可能性があります。周期が長すぎても排卵回数が減ってしまうので妊娠のチャンスが少なくなり、血液の停滞である「お血」が起こって、決していい環境とは言えません。

また何ヶ月も生理が来ないとなると排卵自体が起きていないことになります。

生理痛あるということも問題です、あまりにもひどい生理痛は子宮内膜症や子宮筋腫を起こしている場合もありますし、そうでないとしても生理痛が起こる原因にはお腹の冷えがあり、血行が悪くなっていることにつながり、排卵をうながしていくホルモンの分泌もスムーズにいかなくなります。

生理の周期が早い

生理の周期は正常なら約28日でめぐりますが、それが20日以下のサイクルに早まってしまうのを「月経先期」と言い、周期が早すぎると判断します。

ただ同じ周期が早いのでも血液の量や質、体調などで体の中で起こっているのは違います。大きく分けると生理が早まる場合はふたつのバターンがあります。

虚弱バターン

体の気力(エネルギー)も不足、血液も不足しての虚弱な状態であることから卵巣の働きが悪く、子宮内膜を作ることができないままに血液が早く出てしまうケースです。
また虚弱バターンの中でもさらにパターンが分かれます。

消化器系の働きが弱っていて栄養の消化吸収が悪くてエネルギー、血液ともに上手く回らず、卵巣もエネルギー・血液不足になるもの。漢方では「牌虚」と言います。この場合は出血量は多く、血液の色は淡い色になり、サラサラしています。体は疲れやすく、食欲もよくないです。また、下痢や軟便がちにもなります。

上記の症状からさらに、基礎礎体力も落ちている状態に漢方では「腎虚」という言葉があります。基礎エネルギーから不足していて、血液も造れない状大態だから出血も少なく、色は淡く、サラサラです。体はだるく、疲れやすくなります。また、夜間に頻尿になったりもします。このバターンは当然、冷えもあり、体を冷やさないように気をつかなくてはならないのですが、体の機能も落ちているため、漢方やエネルギー生産を助ける製剤をおすすめします。

手足がほてったり、頬が赤くなったり、ロや咽候が渇きやすいという症状を自覚する場合、体中の水分不足の状態が起こっており、そのため血が熱を持ち「血熟」状態なり、出血が早まる場合もあります。出血は少ないですが、血の色は濃い赤になります。
これが虚弱と血熱が重なったバターンです。

血熱パターン

漢方では「血熱(けつねつ)」という言い方をしますが、食べ物で刺激物、辛い物、油濃いものを食べ過ぎや、ストレスで子宮の血液が熱をもってしまい、そうすると血管が開いてしまうので血を貯めれず周期が来る前に出血してしまいます。

食べ物などで辛いもの、油濃いものが好きで頻繁に食べていることで余分な熱を子宮が持ってしまう、口がよく渇き、肌も乾乗気味になります。
出血は多く、色は赤をこえて黒か紫に近い暗紫色で、生理の期間が長くなる傾向があります。
この場合、油物、刺激物、辛いものは控えるべきです。

生理前の乳房の痛みやイライラしやすくなる症状があり、咽喉も渇ぎやすくなる。これはストレスにより血熟が作られてしまう症状と考えられます。
出血量は多くなったり、少なくなったりと安定しません。色は暗紫色です。やはり油もの、刺敷物は控えないといけません。周期が早いということはいずれにしても妊娠したときに赤ちゃんの着床のための子宮内腰が育てきれないで状態ですから、不妊に陥りやすいことになります。

月経先期

周期が早まるのが3クール以上続くことを「月経先期」と呼びます。
月経が短くなる場合は低温期が短くなり、卵巣の中で卵子が成熟しきらないうちに排卵されてしまっていることや、場合によっては無排卵の場合もあります。未熟な卵子だと精子と出会っても受精しにくくなります。また排卵しても、そのあとの黄体ホルモンも上手く働かないので受精卵の着床すべき内膜がしっかりせず、着床しにくくなります。

生理の周期が遅れる

生理周期が早くなることについて書きましたが、今回は逆に遅れる場合の症状を紹介いたします。1〜2日の遅れは気にすることないですが、周期が35日以上に伸びてしまうのが遅れていると考えてください。

遅れる原因のひとつになるのが、血液の流れが悪くなり子宮口から血液が出て行くのに血液の渋滞がおこるというバターンがあります。いわゆる「お血」という状態で生理痛も伴うことが多いです。この渋滞を引き起こす原因はストレスがあります。ストレスは血管を収縮するので流れが悪くなりサラサラと流れず、ノロノロと流れ、そうなると血液は固まりだすので経血もドロドロと粘になり、場合によると固まりとなって出てきます。
また食生活で油や砂糖の取りすぎなどがあると、血液自体がドロドロ質になり、「お血」を引き起こしやすくなります。

冷えは悪い連鎖を呼びます。冷えは血行不良の状態でもあり、血液が脳からのホルモンを分泌してくれ、という指令も卵巣に伝えてきます。そこの流れが弱いとホルモン分必の流れがすべて遅れがちになり、低温期が長くなり、卵子の育ちも悪くなり、ひいてはそのあとの黄体ホルモンが整えようとする内膜の状態も悪くなります。
全体的な体温が低い(35℃台)であるというようなことになるとこのバターンに陥り、低温期が長いとか高温期への移行が上手くできなくなります。

漢方では腎で体のエネルギーを貯めるカや、肝で血液をつかさどる力の不足で腎虚血虚という状態になることをいいますが、血液の不足・エネルギーの不足が体の中で起こっており、そのせいで卵胞ホルモンや黄体ホルモンも上手く機能しないこともあります。
例えば卵胞ホルモンの機能が上手く働いていないと卵胞の発育が遅れて排卵までの日数が伸びてしまうようなことになります。また卵胞はなんとか成長して排卵できても、黄体ホルモンが機能しないと体温が上がらないで低温期が長びいてしまいます。そして高温期に上がってもギザギザになったり、途中でガクンと体温がダウンしたりしてしまいます。漢方では腎虚・血虚など虚という言葉で原因をあらわしていますが、現代的にいえば基礎代謝が悪いためにすべてのエネルギーが作り出せないような状況とも言えます。
このような周期が5日以上に伸びることが3クール以上になると「月経後期」と言います。

生理の周期が早かったり、遅かったり不安定

生理が来るのが早まったり、かと思えば遅れたりする状態は当然のことながら排卵日もわかりにくいために、妊娠しやすい日のタイミングもとりにくくなります。
この不安定は、

  • ストレスが体のバランスを崩すタイプ
  • 「腎虚」が関係しているタイプ
    (「陰虚」といい体の余分な熱を冷ます力が不足しているおり、基礎代謝が悪く冷えが強くて体を温める力が不足している「陽虚」というタイブ)

のふたつに分かれます。

ストレスタイプ

ストレスが血管を収縮して血行不良を起こすことで「お血」状態になり、遅れる原因を作ります。ところがこのストレスは一方で『血熱』というものを作ってしまう場合もあり、その場合は熱が、子宮内膜のために貯められた血を追い出してしまうので、生理が早く来てしまうことになります。この場合は早くなっても遅くなっても、基礎体温の変動はギザギザの激しいグラフを描く傾向になります。自覚症状としては生理前に胸が張ったり、肌が荒れて、吹き出物が多くなる。イライラしたり、逆に落ち込んだり精神軸的に不安定になります。

腎虚のタイプ

腎は体の活動に必要なエネルギーを貯めておくような働きをつかさどります。
これは体を温める方に働く「陽」のものと熱くなりすぎず潤わしていく車の冷却水のような「陰」のものに分かれます。漢方ではこの「陰陽」のバランスが大事と言われてますが、それをコントロールする腎の力が弱るといらない熱が部分的にこもったり、逆に体が冷えたりして体調が悪くなります。腎の陰が不足すると体の水分が不足して熱がこもり、その熟が子宮から血液を貯めきれないうちに追い出してしますので周期が早まりますが、水分不足は血液の量も不足してしまうので子宮に血液が集まらないために周期が遅れるということにもなりより不安定になります。この状態に体がなっていると基礎体温は全体的に高くなり、自覚症状として手足がほてったり、のぼせ、喉が渇きやすくなります。
腎の陽不足は、エネルギーが足りないので体を温める熱が不足した状態で基礎体温も全体的に低くなります。遅れるのは冷えで代謝自体が落ちているので卵胞も育たず、遅れています。そして冷えにより、血液を貯める力も不足すると早々と血液がもれて出て行ってしまい、生理が早まってしまうことになります。